【1月31日 AFP】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン(Taliban)の勝利の証しとして、撤退した米軍の基地にあった防爆壁などが東部ガズニ(Ghazni)州で一般公開されている。

 歴史上の兵士がやってきたように、米軍兵士も占領した基地の壁などによく名前を書き残す。タリバンが公開した防爆壁には、アフガニスタン紛争で同州に駐留した米兵の名前と連隊名が刻まれている。

 だが今この防爆壁は、米国との20年にわたる戦闘に勝利したというタリバンの武勇伝の一部だ。

 同州を管轄するタリバンの文化当局者ハビブラ・ムジャヒド(Habibullah Mujahid)氏は「この展示によって、アフガニスタン人に、世界に、そして未来の世代に、われわれが米国人を打ち負かしたことを知らしめなければならない」とAFPに語った。「たとえ彼らが世界一の大国だと称しても」

 タリバンは昨年8月15日に首都カブールを制圧する3日前に、南へ150キロ離れたガズニ州の州都を掌握した。

 ガズニ州郊外の道路にも、タリバンの勝利をたたえる物が展示品のように残っている。米軍の装甲車の残がいだ。武器は奪い去られ、パンクしたタイヤはぼろぼろになっている。

 装甲車によじ登る子どもたちもいた。ここには旧ソ連の戦車の残がいも並んでいる。

 18歳だと言うタリバンの戦闘員は「これを見ると、われわれの成果を誇りに思う」と語った。「ここで生まれたアフガニスタン人が、強大な米国に勝てることを示したのだ」

 米国が支援していたアフガニスタン政府に供与した武器は、その最後の混乱のさなか、タリバンの手に渡った。(c)AFP/Elise BLANCHARD