【1月13日 AFP】カナダ・ケベック(Quebec)州の裁判所が、新型コロナウイルスワクチンを接種していない男性について、12歳の子どもとの面会権を一時停止する判断を下した。父親との面会は子どもの「最善の利益」に当たらないとしている。

 地元紙ルデボワール(Le Devoir)が報じ、AFPも判決を確認した。

 判決が言い渡されたのは昨年12月23日。父親は、ワクチン接種をしなければ2月まで面会権が一時停止される。

 裁判所は、変異株「オミクロン株」の流行で感染者が急増していることに触れ、「現在の状況で、父親がワクチン未接種で感染防止策に反対しているなら、面会は子どもの最善の利益にならない」としている。

 父親が年末年始の休暇の間、割り当てられた面会時間を延長してほしいと申請したことに母親が反対し、裁判所に訴えた。

 母親は父親がワクチン未接種であることを最近知ったとし、感染防止策に反発していることが分かる父親のソーシャルメディアの過去の投稿を裁判所に提出している。

 裁判官は、子どもは接種済みだが、現在ケベック州で拡大しているオミクロン株に対してワクチンの有効性は低下しているとみられると指摘。母親は現在のパートナーの他、ワクチン接種が認められていない生後7か月と4歳の子ども2人と同居しており、12歳の子どもが父親に会うのは「子ども3人全員の最善の利益ではない」と判断された。

 ケベック州では成人の9割以上がワクチン接種済みだが、ここ数週間は感染者数、入院者数ともに急増している。(c)AFP