【3月18日 AFPBB News】北半球に寒い季節が訪れると、冬の星座を先導するように夜空に昇ってくる、おうし(雄牛)座。

 目のところに輝く赤い一等星アルデバラン(Aldebaran)からV字型に広がる星の並びが雄牛の頭部。そこから西(右)に目を移すと、ぼんやりとした星の塊がある。「すばる」の和名で知られる天体「プレアデス(Pleiades)星団(M45)」だ。肉眼では5~6個、望遠鏡では100以上の星が、まるで宝石箱のように集まっているのが見える。

 星団とは、恒星が互いの重力によって集団を形成している天体を指す。銀河には性質が異なる2種類の星団がある。数万~数百万個の星が球状に密集している「球状星団」と、数十~数百個ほどの星が雑然と集まった「散開星団」だ。

 球状星団は、銀河を取り巻くハロー領域に分布し、年齢が100億年以上で重元素(金属)の少ない古い星(種族II)を多く含む。天の川銀河には約150個の球状星団がある。

 散開星団は、銀河円盤部の主に渦状腕に分布し、重元素を多く含む若い星(種族I)からなる。

 プレアデス星団は、天の川銀河にある代表的な散開星団で、太陽系からの平均距離が約440光年と比較的近距離にある。星団を構成するのは、同じ星間雲の中で形成されて間もない星々だ。

 今後2億5000万年以内に、幼い兄弟星はみな散り散りになり、天の川銀河に属する他の成熟した星々の集団に溶け込んでいくと考えられている。

 数十億年前に生まれた太陽も、プレアデスのような星の大家族の一員だった可能性が高い。だが現在、太陽の近傍(10光年以内)には、他の星が数個しかない。

 太陽が生まれ育った場所を離れてから長い時間が経過しているが、兄弟星の大半はまだ宇宙のどこかで旅を続けている。(c)AFPBB News