【12月15日 AFP】米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャー、ビオンテック(BioNTech)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、2回接種すれば変異株「オミクロン株」による重症化リスクを70%減らすことができるとした研究結果が14日、南アフリカで発表された。

 オミクロン株は当初、感染力が強いとみられていたが、ワクチンによる予防効果が期待できることを示す有望なデータも出ていた。今回の研究では、ファイザー・ビオンテック製ワクチンの2回接種には引き続き重症化予防の効果があることが示された。

 研究は南アフリカの民間医療保険大手ディスカバリー(Discovery)と南アフリカ医療研究評議会(SAMRC)が共同で実施した。ディスカバリーのライアン・ノーチ(Ryan Noach)最高経営責任者(CEO)は、「ファイザーとビオンテックのワクチンを2回接種すれば、入院リスクを70%減らす効果がある」と説明。ただ、オミクロン株は同国で急速に広がっているため、医療体制が逼迫(ひっぱく)する恐れがあるとも警告した。

 ファイザーとビオンテックは両社製ワクチンについて、従来株に対しては2回接種で93%の重症化予防効果があるとしている。オミクロン株については、2回接種により重症化の予防効果が期待できるものの、感染防止には十分ではない可能性があると説明。先週発表した暫定実験結果では、3回接種すればオミクロン株に対しても有効とみられるとしていた。(c)AFP