【11月26日 AFP】メキシコの人権団体は24日、強制結婚を拒み、先住民族コミュニティーから逃げ出した14歳の少女が警察に一時拘束されたことを明らかにした。

 少女は、南部ゲレロ(Guerrero)州ホヤレアル(Joya Real)の貧しいコミュニティーで暮らしていたが、約1万ドル(約115万円)で売られ、16歳の少年と結婚させられるところだった。

 トラチノジャン人権センター(Tlachinollan Center of Human Rights)のアベル・バレーラ・エルナンデス(Abel Barrera Hernandez)代表によれば、警察は22日夜、少年の家族の要請を受けて少女をゲレロ州で拘束した。しかし、州検察などの当局の支援を受けた同センターの弁護団とコミュニティー関係者との交渉により、14時間後に解放された。

 メキシコでは未成年者同士の結婚は2019年に法律で禁止されたが、先住民族コミュニティーでは伝統という名の下に続いている。女性の虐待につながり、新郎家族の経済的負担も大きいとして廃止を求める声が高まっている。

 公式統計によると、人口1億2600万人の約10%を占める先住民族の7割近くが貧困状態にあり、基本的なサービスを受けられていない。こうした貧困が金銭と引き換えの結婚につながっている。(c)AFP