■「肺が痛い」

 古びた高床式の家が立ち並ぶオロガ村では、学校閉鎖より差し迫った問題がある。

「ここには電気がありません。雨が降れば、雨水を飲みます。降らなければ、川から水を取ってこなければなりません」と語る漁師のフランシスコ・ロメロ(Francisco Romero)さん(67)。

 だが川の水も汚染がひどく、湖の北東にある原油抽出施設から漏れた油が膜を張っていることも多い。

「このところ暮らしはつらいです」とロメロさんは語る。9人家族は小さな水上家屋で生活している。

 ガスがないので、代わりに調理のために燃やしている薪の煙が家中に充満している。「みんな、肺が痛いんです…何もかも足りません。燃料も電気も水も」

 燃料を見かけるのは、行商人が燃料を持ってきて、魚やコメ、トウモロコシの粉などと交換するときだけだ。

 ロメロさんによると「子どもを学校に入れるため」に引っ越した住民も多いが、国全体を襲った危機のせいで結局は村に戻って来た。

「内陸の生活はこことは違う。ここなら魚を釣れば食べていけるが、内陸では金がなければ食べていけない」

 映像は9月5、6日撮影。(c)AFP/Margioni BERMUDEZ