【10月2日 AFP】ロシアで1日、1917年の革命に伴うロマノフ(Romanov)朝崩壊後で初めてとなるロイヤルウエディングが行われ、欧州各国から王族が出席した。

 結婚したのは、ゲオルギー・ミハイロビッチ・ロマノフ(George Mikhailovich Romanov)氏(40)とイタリア人のレベッカ・ビルジニア・ベッタリーニ(Rebecca Virginia Bettarini)さん(39)。式は、帝政時代の首都サンクトペテルブルク(St. Petersburg)にあるイサク大聖堂(St. Isaac's Cathedral)で行われ、スペインのソフィア王太后(Queen Sofia)やブルガリア元国王夫妻ら、外国から招待客数百人が出席した。

 ロマノフ氏は、ロシア帝国皇帝の後継者を名乗るマリヤ・ウラジーミロブナ・ロマノワ(Maria Vladimirovna Romanova)氏の息子で、スペイン・マドリードで生まれた。マリヤ氏は、ロシア最後の皇帝ニコライ2世(Nicholas II)のいとこのキリル大公(Grand Duke Kirill)の孫。ニコライ2世は1918年、アレクサンドラ・フョードロブナ(Alexandra Feodorovna)皇后と5人の子どもと共に処刑された。127年前に行われたニコライ2世とアレクサンドラ皇后の結婚式が、ロマノフ家継承者最後の結婚式となっていた。

 英オックスフォード大学(University of Oxford)卒で、人生の大半をフランスで過ごしてきたロマノフ氏は、ベルギー・ブリュッセルの欧州議会(European Parliament)で勤務していた際にベッタリーニさんと出会った。

 ロマノフ氏は、欧州やロシアのロイヤルファミリーが「親善大使」となり、欧米諸国とロシアの関係改善に貢献できると語っている。しかしロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は、ロマノフ氏が同国の政治に関与するという考えを一蹴。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が「新婚夫妻に祝意を伝える予定はない」とし、「この結婚はいかなる形でも、われわれの議題には含まれていない」と述べた。(c)AFP