英音楽フェス会場を流れる川から高濃度の違法薬物、魚の脅威に
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【9月28日 AFP】英国の野外音楽フェス「グラストンベリー・フェスティバル(Glastonbury Festival)」の会場を流れる川から高濃度の違法薬物が検出され、下流に生息する希少な魚などの野生生物を脅かしていると、英バンガー大学(Bangor University)の研究チームが28日、明らかにした。
研究チームによると、ホワイトレーク川(Whitelake River)から検出されたのは、高濃度の合成麻薬MDMA(通称エクスタシー)やコカインだった。
2019年の同フェスは5日間で20万人以上を集客したが、ホワイトレーク川からサンプルを採取して比較したところ、イベント翌週、MDMAの濃度は4倍になっていた。
コカインの濃度は、ホワイトレーク川に生息する希少なヨーロッパウナギの存続を脅かすほど高まっていた。
違法薬物は屋外排尿を通じて周辺の川など入り込むと考えられることから、専門家は運営側が設置したトイレを使用するよう参加者に呼び掛けている。
研究チームのダン・オーベリ(Dan Aberg)氏は、すべての音楽フェスが違法薬物の排出源であることは「間違いない」とした上で、グラストンベリー・フェスティバルは会場が川に近いため、排出された違法薬物が土壌でほとんど分解されることなく川に流れ込んでいると説明した。(c)AFP