【9月28日 AFP】アフガニスタンの国連(UN)大使は27日、国連総会(UN General Assembly)で同日予定していた一般討論演説を取りやめた。国連報道官が明らかにした。

 先月、イスラム主義組織タリバン(Taliban)の攻勢を受けて崩壊したアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)政権で国連大使に任命されていたグラム・イサクザイ(Ghulam Isaczai)氏は、タリバンに逆らい国連総会で演説する予定だったが、当日の朝になって演説予定者リストから同氏の名前が削除された。

 国連総会議長の報道官はAFPに対し、アフガンの国連代表部が「一般討論演説への参加を取り下げた」と説明。理由は明らかにされていないと述べた。

 タリバンは先週、アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長に宛てた書簡で、アミール・カーン・ムタキ(Amir Khan Muttaqi)新外相による「参加」を認めるよう求めていた。

 タリバンは書簡で、イサクザイ氏は国連大使として「もはやアフガンを代表しない」と主張。カタールの首都ドーハ駐在のタリバン報道官、スハイル・シャヒーン(Suhail Shaheen)氏を国連大使に指名したと明らかにしていた。

 タリバンからの要請は米ロ中など9か国から成る信任状委員会の承認が必要で、国連は現在もイサクザイ氏をアフガン国連代表団長とみなしている。国連関係者は匿名を条件にAFPの取材に応じ、国連総会での演説を「取りやめることができるのは代表部のみ」だと説明。アフガン代表部からのコメントは今のところ得られていない。(c)AFP