若年性認知症のラグビー元代表選手、研究のため脳提供へ
発信地:ロンドン/英国
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【9月24日 AFP】ラグビーW杯(Rugby World Cup)のイングランド代表優勝メンバーで、若年性認知症と診断されたスティーブ・トンプソン(Steve Thompson)氏が、頭部外傷の研究のために自身の脳を提供すると明かした。
現在43歳のトンプソン氏は、イングランドが決勝でオーストラリアを下した2003年のW杯の記憶を思い出すことができない状況で、神経疾患を患う他の元選手と共に、選手を守る努力を怠ったとして統括団体を相手に訴訟を起こしている。
提供先は「Concussion Legacy Project」と呼ばれるブレーンバンクで、慢性外傷性脳症(CTE)や、頭部外傷を原因とするその他の症状の研究に役立てられる。
競技と長期的な脳へのダメージの関連性をめぐっては、ラグビーやサッカーといったさまざまなスポーツで懸念が大きくなっている。
42歳で認知症と診断されたトンプソン氏は「愛する人たちの子どもが、私と同じ経験をしなくて済むように、脳を提供する」と話した。
「われわれの世代が自分たちの脳を提供すれば、研究者がより良い治療を開発し、競技をより安全にする手段を見つけられるようになる」 (c)AFP