【8月19日 AFP】アフガニスタン・バーミヤン(Bamiyan)で、イスラム主義組織タリバン(Taliban)に抵抗した英雄アブドゥル・アリ・マザリ(Abdul Ali Mazari)氏の像が、頭部が切断され、破壊された。住民が18日、明らかにした。

 ソーシャルメディアで拡散されている破壊された像の写真から、頭部だけが台座の下に置かれているのが分かる。

 アブドル・アリ・マザリ(Abdul Ali Mazari)氏は、少数民族ハザラ人(Hazara)の指導者で、タリバンが1990年代にアフガニスタンを支配する前に、タリバンによって殺害された。

「誰が像を破壊したのか分からないが、ここにはさまざまなタリバンのグループがいる。その一部は(中略)残虐なことで知られている」と、ある住民は匿名を条件にAFPに語った。

 別の住民は、タリバンの戦闘員の集団が17日に携行式ロケット弾発射装置(RPG)で像を破壊したと話す。「みんな像が破壊されて悲しんでいるが、恐れてもいる」

 タリバンは2001年、バーミヤンの大仏2体を、非イスラム的だとして破壊し、批判を受けた。タリバンはこれについて、謝罪していない。

 アフガニスタンの人口3800万人のおよそ10~20%を占めるハザラ人は、大半がイスラム教シーア派(Shiite)で、スンニ派(Sunni)の強硬派から長い間迫害を受けている。

 タリバンによると、マザリ氏は1995年、タリバンが拘束していた他の人々と共に、タリバンの精神的故郷とされるカンダハル(Kandahar)に向かう途中で、ヘリコプター内で銃撃戦となり死亡した。

 タリバンの当時の広報担当者は、マザリ氏が護衛からカラシニコフ(Kalashnikov)銃を奪い取り、タリバン戦闘員6人を射殺した後、自殺したと説明した。(c)AFP