【8月3日 Xinhua News】中国地震局は、独自に開発した早期地震警報システムを2020年末に全面稼働させる。220万平方キロに及ぶ地震多発重点地域をカバーしており、5年の建設期間に開発に携わった研究者やスタッフは千人以上に上る。地震発生時には地震波の到達よりも早く警報を発し、震央から20キロ圏外の住民に数秒から数十秒の避難時間を与える。

 同局の陰朝民(Yin Chaomin)副局長は「早期地震警報システムは重要な減災効果を持つ。地震発生時に震央付近の地震観測施設が直ちに警報を発することで、震央から離れた地域の人々は大きな揺れが到達する前に避難することができる」と説明。この数秒から数十秒の時間により、住民は避難措置を取り人的被害を減らすことができ、重要インフラやライフライン、重要生活関連施設も高速鉄道の緊急停車、ガスパイプラインの迅速な遮断、原子炉の停止、エレベーターの最寄階への停止などの緊急措置を取れるようになると強調した。

 同局直属機関で地震観測や警報発信を担う中国地震台ネットワークセンター(CENC)の李永林(Li Yonglin)副主任は、同システムが今年起きた雲南省(Yunnan)の大理ペー族自治州漾濞イ族自治県(マグニチュード6・4)、楚雄イ族自治州双柏県(マグニチュード5・1)、徳宏ダイ族チンポー族自治州盈江県(マグニチュード5・0)の地震で一定の効果を上げたと説明。全国のほかの重点省(自治区、直轄市)も観測設備の設置やシステム統合の最終作業に全力を尽くしていることから、22年末には早期地震警報能力が確立されるとの見通しを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News