【7月7日 People’s Daily】アジアゾウはアジアで最大の陸生動物だが、彼らは傷を負ったり、感染病にかかったりするなどの危険にさらされている。アジアゾウの保護のため、中国雲南省(Yunnan)アジアゾウ繁殖育成救助センターではさまざまな保護活動を展開している。

 多方面の努力を経て、この30年で雲南省では野生アジアゾウの数が150頭前後から300頭前後まで増え、中国の野生アジアゾウの数は安定的に回復し、徐々に増えつつある。

 ゾウの「羊妞(Yang Niu)」の飼育員である陳継銘(Chen Jiming)さんが言うには、「羊妞」は1日に約10キロのにんじんを食べる。現在、「羊妞」の体高は1.8メートル、体重1.3トンの母ゾウとなっている。2015年の8月、1頭の生後1か月に満たない子ゾウが群れからはぐれた状態で発見された。へその緒からの感染のせいで、腹内の大半が感染症に侵され、化膿(かのう)し、心臓が衰弱するなど危険な状態であった。

 手厚い治療を受け、子ゾウの容体は安定した。心ある村民が哺乳期のヤギ4頭を救助センターに寄付し、ヤギの乳を子ゾウに与えた。「ひつじ年に保護され、ヤギの乳で育ったので、「羊妞」と名付けました」と、陳継銘さんは言う。

 糞(ふん)の掃除をし、餌を与え、体検査記録をし、体を洗って観察をする。11頭のアジアゾウの生活は救助センターの27人の職員の責任である。アジアゾウの世話をするため、救助センターの職員が毎日ゾウと共に過ごす時間は10時間を超える。

 2008年の成立以来、救助センターは積極的にアジアゾウの野外救護・救助活動やゾウの繁殖補助研究などの仕事を積極的に展開しており、今まで24頭の野生のアジアゾウの救助に成功した。

 ゾウの生活の世話や治療以外に、救助センターの職員の重要な仕事といえば、ゾウの野外訓練である、職員の周方易(Zhou Fangyi)さんは働き始めて以来、毎日体調の良いゾウを連れて森林に入り、少なくとも6時間は野外に返るための訓練を行う。ゾウが自然の中で食べ物を探し、見分ける能力を取り戻し、野外の環境に適応し、雄ゾウなら1頭で生きていけるように、雌ゾウなら群れに馴染(なじ)めるようにする。

 アジアゾウの救助を行うと共に、救助センターでは常にアジアゾウの繁殖・育成への努力を続けている。近年、救助センターでは技術が上がり、9頭の子ゾウの繁殖・育成の補助に成功した。

 また、アジアゾウの餌場を確立し、空腹なゾウが農作物を食べに人里に降りてきてしまうことを防ぐことは非常に重要である。観測・早期警戒・応急処置などのシステムを構築し、人工追跡システムや定点設備、ドローンなど総合的に運用して人々にゾウの活動情報を発信する。ゾウが遭遇した人を傷つけてしまう事件を減らすため、地元行政は多くの対策を考えている。(c)People’s Daily/AFPBB News