【7月2日 AFP】米国のメリック・ガーランド(Merrick Garland)司法長官は1日、連邦レベルの死刑執行をめぐり「深刻な懸念」があるとして、これに対処するため指針と手順を見直す間、執行を停止すると発表した。

 史上最多の死刑を執行したドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権の方針とは、一線を画する動きとなった。

 死刑反対派として知られるジョー・バイデン(Joe Biden)氏が大統領に就任して以降、連邦政府は死刑を執行していない。

 ガーランド氏は発表に際し、死刑の恣意(しい)的な適用、有色人種に対する不平等、重罪事件における冤罪(えんざい)の多さなどへの懸念を指摘した。

 米国では、死刑の大多数は連邦政府ではなく州政府によって執行される。連邦法に基づいて死刑が適用されるのは、麻薬取引やテロ、スパイ行為などに関する犯罪が主となっている。

 連邦政府は昨年まで17年余り死刑を執行していなかったが、トランプ政権は昨年7月以降、13件という前例のない数の死刑を執行した。(c)AFP