【7月2日 Xinhua News】中国国家原子力機構(CAEA)はこのほど、科学技術部や公安部、生態環境部、交通運輸部、国家衛生健康委員会、国家医療保障局、国家薬品監督管理局ら7部門と共同で「医療用アイソトープ中長期発展計画(2021~35年)」を発表した。医療・衛生分野の原子力技術利用に関する中国初の綱領的文書で、医療用アイソトープ関連産業の能力を高め、国家戦略「健康中国」を確実に実施する上で大きな意義がある。

 同計画では、中国は医療用アイソトープの安定的な自給自足体制を徐々に構築し、増え続ける人々の健康ニーズに応えていく方針が示された。25年をめどに、医療用アイソトープ発展のコア技術を確立し、適切な時期に医療用アイソトープ生産用原子炉1~2基の建設を開始し、通常使用分の医療用アイソトープの安定的な自給自足を実現する。また、35年には国内のニーズを十分に満たした上で、医療用アイソトープの海外進出を積極的に進めるとしている。

 医療用アイソトープは核医学診療のベースとなる物質であり、心疾患・脳血管疾患やガン、退行性神経疾患など重大疾病の診療に用いられ、他の物質で代替できないという特性がある。(c)Xinhua News/AFPBB News