【6月22日 AFP】来月開幕する東京五輪で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の被害が大きい国の選手に対し日本側が課す厳格な規制について、インドオリンピック委員会(IOA)が「不公平」だと反発している。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は先日、新型ウイルスの変異株の影響を大きく受けているインドなど数か国について、感染リスクを減らすために追加の措置を講じる方針を示した。

 対策には日本出発前の1週間で検査を毎日実施することや、来日後の3日間に他国のチームとの接触を避けることなどが含まれる。

 これに対してIOAは、これらのルールによって選手は3日間の貴重な調整期間が奪われることになるとの見解を示し、「選手は競技5日前からしか選手村に入れない」とした上で、「選手がピークに向かうために必要な3日間が無駄になる。5年間必死に努力してきたインドの選手が、五輪のわずか5日前に差別されるのは非常に不公平だ」とした。

 対象となるのはインドの他、パキスタンや英国など計11か国だという。

 東京五輪の組織委員会はIOAから書簡を受け取ったとAFPに明かしたが、対象国の代表選手が到着後の3日間にトレーニングを許可されるかについては明言しなかった。

 IOAのナリンダー・バトラ(Narinder Batra)会長は前週、インドの代表選手は五輪が開幕する7月23日までに選手のワクチン接種が完了するとしている。インドでは4〜5月に感染者と死者が激増していたが、ここ最近は感染拡大が落ち着き、一部でロックダウン(都市封鎖)の規制が緩和されている。(c)AFP