■「ドバイ」を夢見て

 ヨハネスブルクの貧困地区アレクサンドラ(Alexandra)に住むトゥラニ・マニャティ(Thulani Manyathi)さん(36)は、4人の幼い娘を連れてクワフラティにやって来た。「ドバイ(Dubai)に住むつもり。大きな倉庫がある家が欲しい。これで人生が変わる」と話し、ポケットに入れたいくつかの石に触れた。

 さらに、「きょうは学校はなし」と述べた。「ダイヤモンドを掘るんだから」

 近くの町レディースミス(Ladysmith)で「外国人」が石を数百ランド(数千円)で買っているといううわさも流れているが、専門家らによれば、この石に価値がある可能性は極めて低い。

 ベクムジ・ルブノ(Bhekumuzi Luvuno)さん(18)は、一晩かけて掘り出した石をいぶかしげに見つめながら、「これはダイヤモンドじゃない。ここにいる人たちは時間を無駄にしているだけだ」と語った。

 当局は先週末、新型ウイルス対策を理由に石を掘る人々に退去を求めたが、効果はなかった。

 政府は15日、地質学と採掘の専門家チームを派遣し、分析のために石を集めさせた。現在は、パトカーが石を掘る人々を監視している。(c)AFP/Claire DOYEN