【5月31日 AFP】インド北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州で、少なくとも25人が有毒な酒を飲んで死亡した。警察が30日、明らかにした。

 警察の担当者、アジャブ・シン(Ajab Singh)氏は、「これまでに25人が死亡した。数人が入院して治療を受けている」とAFPに語った。この酒を販売したとして、10人を逮捕したという。

 現地メディアによると、問題の酒は、2人の兄弟が経営する酒店で20日に販売されたものだという。

 ウッタルプラデシュ州では新型コロナウイルス対策としてロックダウン(都市封鎖)が実施され、酒店は休業を余儀なくされていた。しかし、新規感染者数が緩やかに減少し始めたことで、11日から一部地域で時間を限って営業再開が認められた。

 問題の酒が、どのようにして造られたかは明らかになっていない。しかし、インドでは密造酒が貧困層にも手が届く低価格で販売され、毎年数百人が中毒症状で死亡している。

 インド国際酒精ワイン協会(ISWAI)の推計によると、インドの年間アルコール消費量は約50億リットルで、約40%を密造酒が占めている。

 密造酒は、製造過程でアルコール濃度を高めるため、凍結防止剤として使用されるメタノールを添加することが多い。メタノールは人体への毒性が非常に高く、摂取すると失明や肝障害を引き起こすほか、量によっては命を落とすこともある。(c)AFP