【5月21日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)で最古参委員のリチャード・パウンド(Richard Pound)氏は20日、東京五輪の開幕まで2か月に迫る中、自分たちが「見て見ぬふり」をしている大きな問題はないとの見解を示し、大会は「開催される」と語った。

 東京五輪に向けて、IOCメンバーが東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)とオンライン会議を開く中、パウンド氏はAFPの取材に対して「現時点で知っている全てのことを踏まえれば、大会は開催される」との認識を示し、「私はチケットを持っている」と述べた。

 日本の世論調査では、大半の人々が五輪の再延期や中止を求めていることが示されている。パンウド氏は「開催国(日本)が開催したくないなら、開催されない」としながらも、「状況が確かに危険な場合、大会を中止する権利」は最終的にIOCが保持していると補足した。

 また、日本で大会に反対の声が上がっていることを認識しつつも、中止を余儀なくされる可能性には否定的な考えを見せ、直前に中止が決まった場合、「この機会を生かせないことに、アスリート側や世界中が大きく失望するのは確実だ」と述べた。

 パウンド氏によれば、IOCをはじめスポンサーや放送局など、世界最高峰のスポーツイベントを開催する上でリスクを負っている関係者の大半が、不測の事態に備え保険に加入しているという。

 同氏は、中止による経済的損失は「膨大なものになるだろう」としながらも、「スポーツ界のシステム全体や五輪ムーブメントが、ひどい苦境に陥ることはないはずだ」とし、「もちろん耐える必要は出るだろうが、経済破綻に陥ることがないのは間違いない」と述べた。(c)AFP