【2月24日 AFP】米国で20日にユナイテッド航空(United Airlines)のボーイング(Boeing)777-200型機のエンジンが飛行中に炎上し、部品がコロラド州デンバー(Denver)近郊に落下した事故で、主な原因として金属疲労が浮上している。

 複数の米当局者は23日、今回の事故の前から、米航空当局は同型機および搭載されているプラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)製のエンジンの点検強化を検討していたと述べた。昨年12月4日に那覇発羽田行きの日本航空(JAL)機のエンジンのファンブレードが破損した事態を受けての動きだったという。

 米連邦航空局(FAA)の報道官は23日、日航機のトラブル後にFAAは「破損の原因を究明し、それに合わせてブレード検査のあり方を変えるかどうか検討するため」、検査記録とメンテナンス履歴を調べていたと述べた。この日航機は那覇空港に引き返し、負傷者を出すことなく緊急着陸した。

 米運輸安全委員会(NTSB)は、デンバーの事故の原因が、昨年12月の日航機や、2018年2月にプラット&ホイットニー製のエンジンを搭載したユナイテッド航空の別のボーイング777型機で起きた事態と類似しているかどうかはまだ不明だとしている。2018年2月のトラブル後にFAAは、9000件のファンブレード検査記録を調べ、耐空性改善通報を出して新しい検査規則を定めた。

 NTSBのロバート・サムウォルト(Robert Sumwalt)委員長は22日、「画像による予備的な調査によると、破損状況は金属疲労のそれと一致している」と述べた。デンバーの事故を起こしたボーイング777-200型機は、第2エンジンのファンブレード2枚が折れており、1枚はサッカー場で見つかり、もう1枚はエンジン内部に残っていると明らかにした。

 またサムウォルト氏は、NTSBはデンバーで事故を起こしたユナイテッド機の検査記録から、「誰がいつ何を知っていたのか、何ができて何をすべきだったのか」を調査すると述べた。

 FAAは、20日のユナイテッド航空UA328便の事故データを検討し、緊急耐空性改善通報を出す計画だ。

 またボーイングは同事故を受けて、プラット&ホイットニー製のエンジンを搭載したボーイング777型機、全128機が運航を停止していると発表した。128機のうち運航中だったのは69機だけで、残る59機は保管中だったという。

 ユナイテッド航空が同型機24機を運航停止とした他、日本航空や全日空(ANA)、韓国のアシアナ航空(Asiana Airlines)、大韓航空(Korean Air)も同型機の運航を停止した。(c)AFP/John BIERS and Juliette MICHEL