【2月1日 AFP】米警察が、9歳女児に手錠を掛けて唐辛子スプレーを使用していたことが、1月31日に公開された動画で明らかになった。これを受けて、警察の過剰な対応に対する批判が再燃している。

 ロチェスター(Rochester)警察副署長は同日、女児には緊急対応を要する精神衛生上の問題があったと明かした。氏名非公表のこの女児は、自らと母親の命を絶つ恐れがあったと報じられている。女児の人種も公開されていない。

 1月29日、通報を受け現場に急行した警察官らは、女児に手錠を掛けて車に乗せようとしたところ抵抗され、唐辛子スプレーを使用。この一部始終が、警察のボディーカメラに記録されていた。

 米国では、昨年5月のアフリカ系米国人のジョージ・フロイド(George Floyd)さんの殺害をはじめ、黒人に対する警察の暴力を捉えた動画がきっかけとなり、各地で人種差別と警察の過剰な暴力に反対する抗議デモが広がった。

 ロチェスター警察は1月30日、手錠と唐辛子スプレーの使用は女児自身の安全のために「必要だった」と主張。

 ラブリー・ウォーレン(Lovely Warren)市長は、子どもに対する警察の実力行使を厳しく批判し、市警察の慣行について内部調査を行うと約束。31日の会見では「あの動画から、市内の児童と家庭への支援を拡充する必要があることは一目瞭然だ」と述べた。(c)AFP