【1月11日 AFP】ダカールラリー(Dakar Rally)で史上初めて四輪部門と二輪部門の両方で総合優勝を果たした大会のレジェンド、ユベール・オリオール(Hubert Auriol)氏が10日にこの世を去った。これを受け、今大会の四輪部門で総合首位に立つミニ(MINI)のステファン・ペテランセル(Stephane Peterhansel、フランス)が哀悼の意を表した。

「ジ・アフリカン(The African)」ことオリオール氏は、長い心臓病との闘病の末、10日に68歳で死去し、その知らせは第7ステージ開催中の大会を駆けめぐった。

「ミスター・ダカール(Mr Dakar)」の異名を取るペテランセルは、「私が今回のダカールでこの位置にいられるのは、目にしたもの、ユベールの行動のおかげだ」「自分にとっては、常に品位と知性を兼ね備えたお手本だった」と話した。

 エチオピアのアディスアベバに生まれたオリオール氏は、当時まだ産声を上げたばかりで、アフリカで開催されていたパリ・ダカール・ラリー(Paris-Dakar Rally)の顔となり、二輪部門を1981年と1983年に制した。そして四輪転向後の1992年に総合優勝を果たし、ダカールで初めて2冠を達成した選手となった。

 ファンの記憶に最も残っているのは1987年大会で、その年は最終日の一つ前のステージで両足首を骨折し、長年のライバルだったシリル・ヌヴー(Cyril Neveu)に優勝をさらわれた。

 その後は1995年から2004年までダカールの大会運営に携わった。二輪で6回の総合優勝を飾ったペテランセルは、その間にオリオール氏と同じ四輪と二輪の2冠を達成すると、その後は優勝回数を7回にまで伸ばしている。(c)AFP