【12月29日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は27日、中国がチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(85)の後継者選出に介入した場合、中国に制裁を科すことを可能にする法案に署名し、同法は成立した。

 上院は閉会が近づく中、チベット人権法案を新型コロナウイルス危機の追加景気対策法案などと一体化。トランプ氏は国民への直接給付金が少なすぎると批判していたが、27日夜にしぶしぶ署名した。

 超党派の議員団が提出したチベット人権法には、ダライ・ラマやその他の位の高い僧の選出、教育、崇拝について、「チベット仏教の伝統にのっとり適切な宗教集団によって行われるべきもっぱら精神的な事柄」と規定している。

 カリスマ的指導者がいなくなれば、チベット(Tibet)自治区の自治権回復を目指す動きが弱まると期待し、中国が自国に都合の良い人物を次期ダライ・ラマに選出しようとしているとの懸念が高まっていた。

 中国政府は今年1月、米下院が同法案を可決したことを受けて、「中国の内政に甚だしく干渉している」と批判していた。(c)AFP