【11月25日 AFP】小口貨物輸送世界大手の米ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は24日、新型コロナウイルスワクチンの配送のため、米国内でドライアイスの製造を強化し、超低温冷蔵機を各地に用意する方針だと発表した。

 新型ウイルスの世界最大の流行に直面している米国は、政府のワクチン開発・供給計画「ワープ・スピード作戦(Operation Warp Speed)」で、米製薬大手ファイザー(Pfizer)とドイツの製薬ベンチャー、ビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチン640万回分を緊急使用許可が下りた最初の週に配送する計画にしている。許可は早ければ12月10日に下りる見込み。

 両社のワクチンは、マイナス70度の超低温で保管する必要があり、UPSはすでに、ドライアイスで冷えた状態を15日間保てる特別な容器を開発。また他社のワクチンも配送にはドライアイスを用いるとみられている。

 UPSは、同社の複数の施設にワクチンの配送に必要なドライアイスを1時間に最大約540キロ製造できる機械を増設したと発表。ワクチンは製造から24時間以内に米国とカナダの病院に配送できるとした。

 さらに、UPSは冷凍機器メーカーのスターリング・ウルトラコールド(Stirling Ultracold)と提携し、マイナス80度まで冷やせる冷凍機を各地の医療機関、薬局、緊急医療施設に配備すると発表した。

 UPSの株価は終値で3.7%高となった。(c)AFP