【11月16日 AFP】ギリシャ神話の神、ヘルメス(Hermes)とされる古代の彫像の頭部が13日、ギリシャの首都アテネ中心地の下水処理場の掘削工事中に見つかった。ギリシャ文化省が15日に明らかにした。

 大理石でできた彫像の頭部が発見されたのは、人通りの多いエオルー(Aiolou)通りのわずか1.3メートル下の地中。文化省は、「紀元前4世紀後半、もしくは紀元前3世紀初頭の原物」で、保存状態は良好だとし、「壮年期の神(ヘルメス)が表現されており、ヘルメス柱像の一部と考えて間違いない」と続けている。

 ヘルメス柱像は、ヘルメスの頭像や胸像を角柱の台座に設置したもので、道の標識として置かれていた。ヘルメスはギリシャ神話の神ゼウス(Zeus)の息子で、神々の使者を務める他、旅人や商人の守護神でもあった。

 文化省は価値には言及していないものの、像は直ちに管理当局の保管庫に運ばれた。

 アテネ市長のコスタス・バコヤンニ(Kostas Bakoyannis)氏は14日、フェイスブック(Facebook)に像の写真を投稿。「いかにもアテネらしい」と書き込んでいる。(c)AFP