【11月1日 AFP】米国防省は10月31日、米軍がナイジェリアで人質になっていた米国人1人を救出したと発表した。この米国人は数日前に隣国ニジェール南部で武装勢力に拉致されており、越境してナイジェリアに連れ去られたとみられている。

 救出されたフィリップ・ウォルトン(Philip Walton)氏は10月26日夜、ナイジェリアとの国境から約10キロ離れたマッサラタ(Massalata)のはずれで拉致された。米国防省によると、ウォルトン氏は米国務省によって安全に保護されている。救出作戦で米軍に死傷者は出なかった。

 現地当局は先週、拉致を実行した武装勢力がウォルトン氏の父親に身代金を要求していたと発表したが、同氏の家族はその事実を認めていない。

 父親によると、ウォルトン氏は妻子と共にマッサラタに2年間住んでいた。父親自身もニジェールに30年近く滞在している。

 ニジェールはサハラ砂漠南部の広大なサヘル(Sahel)地域の中心に位置する。サヘルはイスラム過激派の攻撃で苦境に立たされており、これまでに数千人の死者が出た上、数万人が避難を余儀なくされた。

 米軍はニジェール北部のアガデス(Agadez)など2か所にドローン(無人機)基地を設けている。米軍のドローンは、イスラム過激派の掃討のためフランスが派遣している通称「バルカン(Barkhane)」部隊を支援している。(c)AFP