【10月22日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、アーセナル(Arsenal)のミケル・アルテタ(Mikel Arteta)監督は21日、メスト・エジル(Mesut Ozil)から最大限の力を引き出すことができなかったと認めた。エジル本人は同日、プレミアリーグのメンバーから外されたことに怒りを示している。

 クラブ史上最高額となる35万ポンド(約4800万円)の週給を受け取っていると報じられる32歳のエジルは、すでにヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2020-21)の登録メンバーからも外れており、アーセナルで再びプレーするかどうかは不透明な状況となっている。

 この日、ヨーロッパリーグのラピッド・ウィーン(Rapid Vienna)戦前の記者会見に臨んだアルテタ監督は、「自分の仕事は全選手からベストを引き出し、チームに貢献させることだ。きょう現時点において、自分は失敗したと感じる」と語った。

「できる限り最高のメストをチームのために求めている。そこに近づけたときもあったが、彼をチームから外す決断を下さなくてはいけないわけだから、今はできなかったということになる」

 一方、3月7日の試合を最後に公式戦でプレーしておらず、アーセナルとの契約は今季限りとなっているエジルは、アルテタ監督の発言に先立って構想外となっていることにいら立ちをあらわにし、正当な扱いを受けていないとソーシャルメディアで示唆した。

「2018年に新契約を結ぶに当たり、自分が愛するクラブであるアーセナルに忠誠と献身を誓った。それがこれまで報われていないのは悲しい」

「つらい決定だが、それによって自分の意識が変わることはないと約束する。これからも最大限のトレーニングを積み、非人道的なことに対してや、正義のために自分の声を使えるときは使っていく」

 エジルは昨年12月、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)における中国政府のウイグル人弾圧を批判するコメントを出したが、クラブ側は距離を置いた。

 また、新型コロナウイルスによる経済危機に直面した今年4月には、チームメートが12.5パーセントの給与カットに応じる中エジルが拒否する出来事もあったが、アルテタ監督は今回の決定について、純粋に競技面によるものだと強調している。(c)AFP