【10月20日 AFP】カナダ東部にあるアスベストス(Asbestos)町は、住民投票で「バルデスルス(Val-des-Sources)」町に改名したと、町長が19日に発表した。町は、命にかかわる健康被害をもたらすアスベスト(石綿)に関連した地名からの脱却を望んでいた。

 アスベストスはモントリオールから100キロほどに位置する人口6700人の町。近くにアスベストが眠るジェフェリー(Jeffrey)鉱山があり、町は歴史的に深い関わりを持っていた。この鉱山では2012年まで操業が続けられ、地域経済を支えていた。

 しかし1980年代に世界保健機関(WHO)がアスベストに発がん性があると断言。それ以降、町の広報活動は長年実を結ばず、主に経済的な理由から町名を変えるに至った。

 町は2019年11月に改名を決定。「アスベストという語には、残念ながら良いイメージがない」「町が外部と経済関係を発展させる上での障害となっている」と説明した。

 先週、14歳以上の住民が六つの新しい町名候補に選好投票を行った。

 これらの候補は住民が提案したもので、フランス語であること、町の歴史を表していること、アスベストを直接的に示さないこと、といった複数の条件を満たしている。

 町長によると、新しい町名が当局に承認され次第、12月には町は正式に「バルデスルス」になるという。(c)AFP