【10月17日 AFP】2024年パリ五輪の実施競技として重量挙げを存続させる闘いが続く中、危機に直面している国際ウエイトリフティング連盟(IWF)は16日、英国出身のマイケル・イラニ(Michael Irani)氏を会長代行に指名した。IWFにとって、混乱続きのこの一週間では同氏が3人目の会長となる。

 連盟の医療委員長で反ドーピング委員会の元責任者であるイラニ氏は、今回の任命を受け入れる一方でフルタイムの就任には関心がないと強調したものの、重量挙げ界にはびこっている薬物検査の問題をめぐる改革の推進を約束した。

 ハンガリー・ブダペストに拠点を置くIWFは、13日に開かれた緊急会議で理事会の投票を行い、会長代行を務めていた米国出身のウルスラ・パパンドレア(Ursula Papandrea)氏を解任した。

 この動きを受けて国際オリンピック委員会(IOC)は14日、パパンドレア氏とは「素晴らしい協力関係を築いてきた」として、理事会の造反で会長代行が退陣したことに「強い懸念」を表明した。

 IOCは後任の名前を挙げなかったが、全米ウエイトリフティング協会(USAW)の最高経営責任者(CEO)を務めるフィル・アンドリュース(Phil Andrews)氏は、自身の名前で発表したコメント文で、タイ出身のインタラット・ヨドバントゥーイ(Intarat Yodbangtoey)氏が暫定的にパパンドレア氏の後を引き継ぐと明らかにしていた。

 すでにIOCは前週、「2024年パリ五輪のプログラムにおける重量挙げの地位を再検討する」と警告していた。パリ五輪の種目や選手数に関しては、12月に最終決定が下されることになっている。

 1月にドイツの公共放送ARDでドーピングの隠蔽(いんぺい)を意図した「腐敗した文化」と称される体質が暴かれて以来、重量挙げ界は混乱状態が続いている。(c)AFP