【10月8日 AFP】サッカー元チェコスロバキア代表選手で、相手をあざ笑うチップキックのPKで知られるアントニーン・パネンカ(Antonin Panenka)氏が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかり、病院の集中治療室(ICU)に入った。同氏が現役時代にプレーしたチェコ1部リーグのボヘミアンズ1905(Bohemians 1905)が7日、ツイッター(Twitter)で明かした。

 71歳のパネンカ氏が名誉会長を務めるボヘミアンズは、「アントニーン・パネンカは本日、重症のため病院のICUに搬送された」と記し、同氏の愛称を用いて「頑張れ、トンド!」と続けた。

 1948年にプラハで生まれたパネンカ氏は、チェコスロバキア代表の一員として1976年の欧州選手権(UEFA Euro)に出場。西ドイツと対戦した決勝のPK戦では、ゴールにボールを蹴り込むのではなく、横に飛ぶGKをあざ笑う大胆なチップキックを中央に流し込み、チームの優勝を決めた。

 今では「パネンカ」と呼ばれるようになったこのテクニックは、ジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)氏やズラタン・イブラヒモビッチ(Zlatan Ibrahimovic)、アンドレア・ピルロ(Andrea Pirlo)氏といったレジェンドも見せたことがある。

 パンデミック(世界的な大流行)の初期は比較的落ち着いていたものの、チェコでは感染者数がここ数日で急増しており、6日には1日当たりでは過去最多となる4457人を記録した。(c)AFP