【9月27日 AFP】レバノンの新首相に指名されたムスタファ・アディブ(Mustapha Adib)氏は26日、組閣を断念し、就任を辞退すると発表した。

 首都ベイルートで8月4日に起きた大規模爆発を受け内閣が総辞職したことに伴い、同月31日にアディブ氏は首相に指名された。ベイルートの爆発では190人以上が死亡、数千人が負傷した。

 レバノンはここ数十年で最悪規模の経済危機にあり、外国からの多額の財政支援を受けるために必要な改革を行うため、アディブ氏は早急な組閣を迫られていた。

 今後、政権樹立には数か月かかる可能性もある。多宗派国家であるレバノンではパワーシェアリング(権力分有)制度により宗派間の均衡維持が求められており、これは事実上、組閣といった重要な決定事項においてすべての主要政党の合意が必要であることを意味する。

 アディブ氏の組閣への取り組みは、イスラム教シーア派(Shiite)を代表する主要政党アマル(Amal)とヒズボラ(Hezbollah)によって事実上阻止されていた。2党は財務相ポストを強く要求し、譲歩を拒否していた。(c)AFP/Alice Hackman