■偽レビュー、フェイクニュース

 テキストの自動作成を専門とする仏新興企業シラバス(Syllabs)の共同創立者のクロード・ド・ルピ(Claude de Loupy)氏は、GPT-3に欠けているのは「実用主義」だと指摘する。

 もう一つの重大な問題は、GPT-3が教育期間中に学習した固定観念や憎悪表現(ヘイトスピーチ)などを何のためらいもなく増殖させ、すぐに人種差別主義者や反ユダヤ主義者、性差別主義者と化してしまう可能性があることだ。

 そのため、AFPの取材に応じた専門家らは、ロボットジャーナリズムやカスタマーサービスなどのコンピューターに依存する必要がある産業部門にとって十分な信頼性を、GPT-3が備えていないと感じていると話す。

 その一方で、偽のレビューや、偽情報の拡散活動で使われるニュース記事の作成で悪用される恐れがあるのは、そのほかのモデルと同じだ。

 当初は非営利の研究団体だったオープンAIは、その後「上限利益」企業となった。これは、投資家らが得られる利益に上限があることを意味する。

 そして6月、オープンAIは方針を転換してGPT-3モデルを商業利用に開放し、ユーザーからのフィードバックを可能にした。

 この一歩は大きな利益をもたらすかもしれないと、シラバスのド・ルピ氏は指摘する。「AIによって生成されるテキストの量がインターネット上で爆発的に増加しようとしていることは、疑いの余地がない」 (c)AFP/Jules BONNARD