■トップ10選手の復帰

 また、開幕が約4か月遅れたことで、例年よりかなり低い気温など全く異なるコンディションでの戦いとなる中で「9月末にローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)でプレーするのは少し奇妙な感じ。でもこの大会をプレーするチャンスがあるのは、選手にとって素晴らしいこと」とコメントした。

 シーズンが5か月の中断期間に入る直前にドバイ・テニス選手権(Dubai Duty Free Tennis Championships 2020)でも優勝しているハレプは、休止中にフィットネスを磨いたというが、地球規模の危機によってテニスに対して新しい見方をするようになったという。

 WTAインサイダー(WTA Insider)に対しハレプは、「より成熟したと思う。パンデミック(世界的な大流行)で自分は夢見た場所にいることに気づいた。最も難しいことは人生全般にあるもので、スポーツにはないことを理解できたので、前よりもリラックスしている」と話した。

 全仏の女子シングルスでは、2005年から2007年にかけて優勝したジュスティーヌ・エナン(Justine Henin)氏を最後に連覇を果たした選手が出ておらず、バーティが新型ウイルスを理由に全米に続いて今大会も欠場したことにより、この流れは今年も続くことになった。

 グランドスラム通算3勝の大坂は太もも裏のけがで欠場し、また昨年10月に行われたWTAファイナルズ(WTA Finals Shenzhen 2019)で膝を痛めて以来実戦から遠ざかっている2019年の全米女王ビアンカ・アンドレスク(Bianca Andreescu、カナダ)も不在となる。

 有力選手の欠場が目立つものの、ハレプやエリナ・スビトリーナ(Elina Svitolina、ウクライナ)、キキ・ベルテンス(Kiki Bertens、オランダ)が戻ってくる全仏は、世界トップ10のうち6人が欠場した全米よりは強豪ぞろいとなる。その一方でベリンダ・ベンチッチ(Belinda Bencic、スイス)は、腕のけがで開幕直前に棄権を表明した。

「いつも言っているように、トップ10、トップ15の多くの選手にグランドスラムを制覇するチャンスがある」とコメントしたハレプは、「クレーコートだが球足が速く、ハードヒッターも簡単に勝てるから、ローラン・ギャロスはとてもオープンな大会」と続けた。

 今季20勝2敗のハレプは、アデレード国際(Adelaide International 2020)でアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka、ベラルーシ)に、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2020)準決勝でムグルサに敗れた1月以来無敗だが、「まだ大会は始まっていないので、ローラン・ギャロスでタイトルを取ることは考えられない。だがベストを尽くすつもり。もちろん優勝を夢見ている」と意気込みを見せた。(c)AFP