【8月31日 AFP】ギリシャ南部ペロポネソス(Peloponnese)半島のミケーネ(Mycenae)にある青銅器時代(Bronze Age)の遺跡近くで30日、原野火災が発生し、訪問者が避難する事態となった。

 現地メディアによると同日正午ごろ、トロイア戦争(Trojan War)中、ギリシャの都市国家連合軍を率いたミケーネの王、アガメムノン(Agamemnon)の墓近くから出火。消防当局によると火災は「一部で鎮火した」という。火は遺跡をかすめたが、消防当局は遺跡の博物館に危険はないと強調した。

 ペロポネソス地方を管轄する消防隊長はアテネ通信社(ANA)に対し、火は「遺跡の一部を通り、枯れ草を焼いた。博物館に危険は及ばなかった」と明らかにした。同国文化・スポーツ省は同日、初期段階の検証によると「火は遺跡に被害をもたらさなかった」と発表。今後、「専門家チームが影響を評価していく」と述べた。

 ミケーネは紀元前2000年から前1000年ごろ、地中海文明の主要中心地の一つだった。

 ギリシャでは毎年、空気が乾燥し強い風と気温が30度を超える日が頻発する夏に原野火災が発生している。(c)AFP