南シナ海でマレーシア警備隊が漁船に銃撃、ベトナム人漁師1人死亡
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【8月17日 AFP】マレーシアの沿岸警備隊が南シナ海(South China Sea)で、同国の巡視船に体当たりしようとしたベトナム漁船を銃撃し、ベトナム人の漁師1人が死亡した。マレーシア当局が17日、明らかにした。
銃撃があったのはマレーシア領海内で、過去にもベトナム漁船から漁網を傷つけられたとして地元漁師から苦情が出ていた海域だという。
マレーシア海上法令執行庁(Malaysian Maritime Enforcement Agency)の長官はAFPに対し、ベトナム漁船2隻が16日、北東部クランタン(Kelantan)州トクバリ(Tok Bali)から約80カイリ離れた領海内に侵入したと説明。「隊員らはまず、空中に向けて警告射撃を行ったが、彼らが体当たりをして石油の入った瓶を投げ込んできたため、自衛のため銃撃せざるを得なかった」と話した。
同長官は、ベトナム人乗組員らが沿岸警備隊の船に燃料やタイヤを投げ入れて火をつけようとし、警備艇が「攻撃的な体当たり」によって損傷したと主張。
ベトナム人漁師が銃弾を受けて負傷し、陸へと搬送された後、死亡が確認された。
同長官は、「この出来事で、死者が出たことを悲しく思う。だが、隊員らは自分たちの命を守るため、そしてわが国の主権を守るためにこうした行動を取ったということを、私が保証できる」と話している。
海上法令執行庁は17日、2隻には死者1人を含む漁師20人が分乗していたと発表。
その後19人は連行され、殺人未遂および密漁、不法入国などの容疑で取り調べを受けている。
南シナ海をめぐっては、ブルネイやマレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムが一部海域の領有権を主張している他、中国はその全域を自国の領海と主張している。(c)AFP