【8月9日 AFP】8日に行われた20F1第5戦の70周年記念GP(70th Anniversary Grand Prix)予選では、レーシングポイント(Racing Point)のニコ・ヒュルケンベルグ(Nico Hulkenberg)が、突然のF1復帰2戦目で本人もチームも驚く3番手に入った。

 ヒュルケンベルグは、正ドライバーのセルヒオ・ペレス(Sergio Perez)が新型コロナウイルスの検査で陽性となったため、9日前に急きょ物議を醸す「ピンクメルセデス」ことレーシングポイントのシートに座ることになったが、その中でフロントローを独占したメルセデスAMG(Mercedes AMG)以外では最高の結果を残した。

 これは、メルセデスのルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)の隣のグリッドに入った2016年のオーストリアGP(Austrian Grand Prix 2016)以降では、自身の予選最高成績となる。当時、フォースインディア(Force India)でチームメートだったのがペレスだった。

 今回は、メルセデスのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)、僅差の2番手となったハミルトンに次ぐ3番手となる。ヒュルケンベルグは「予選は良かった」と話した。

 ヒュルケンベルグは前週、ドイツ・ケルン(Cologne)のカフェで食事を取っている最中に連絡を受け、翌日には英シルバーストーン(Silverstone Race Circuit)でレースの準備をしていた。

 177レースに出場して表彰台フィニッシュが1回もないのはF1史上最長だが、物議を醸しているとはいえ、戦えるマシンで3番手からスタートできるということで、ヒュルケンベルグにはその不名誉な記録を終わらせるチャンスがある。

 それでも本人は、記録にはあまり関心がなく、それよりも昨季限りでルノー(Renault)のシートを失ってから時間が空いた中で、レースを完走して肉体的な負担を乗り越えることの方が大切だと話している。

「非常に過酷で難しい状況だ」「だけど、自分が乗っているのが速いマシンなのは分かっているし、とにかく正しいことをするだけだ」

「スタートと1周目は慣れていないが、これまでの経験を総動員して乗り切りたい。そこからは勝負ができるはずだ」 (c)AFP