【7月23日 AFP】アフガニスタンで両親を殺害した旧支配勢力タリバン(Taliban)の戦闘員2人を射殺した少女カマル・グル(Qamar Gul)さん(15)が22日、AFPの取材に応じ、もしまたタリバンなどの過激派が襲ってくるならば「戦う心構えはできている」と語った。

 グルさんは先週、中部ゴール(Ghor)州タイワラ(Taywara)地区の村にある自宅でタリバンの襲撃を受け、家にあったカラシニコフ自動小銃(AK47)で戦闘員2人を射殺した。

 親族宅からAFPの電話取材に応じたグルさんは、「私はもう彼らを恐れていない。また戦う心構えはできている」と話した。

 グルさんの話によると、襲撃があったのは夜半ごろ。自室で12歳の弟と寝ていたところ、男たちが玄関から押し入ってくる物音を聞いたという。「彼らはお父さんとお母さんを外に連れ出して、何度も撃った。怖かった」

 だが、グルさんは次の瞬間「怒りに襲われた」と明かした。「家の中にあった銃を手に取り、玄関口まで行って彼らを撃った」

 襲撃犯のリーダーらしき男がグルさんに反撃しようとしたが、「弟が私から銃を奪って、その男を撃った」という。その頃には村の住民やアフガニスタン政府寄りの民兵らが駆け付け、長い銃撃戦の末にタリバン側は逃走した。

■両親の敵討ち「誇らしい」

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は22日、親族や当局者の話として、襲撃してきた戦闘員の一人はグルさんの夫だったと報じた。夫はグルさん一家と仲たがいしており、妻を「力ずくで取り戻そう」としていたという。

 当局はまた、グルさんの父親がアフガニスタン政府を支持する村長だったため、タリバンの標的とされたとAFPに説明した。

 グルさんは、父親からAK47の扱い方を教わっていたという。「両親を殺害した者たちを殺したことは、誇らしい」と述べた一方、そばに駆け寄ったときには既に両親とも事切れていたと明かし、2人に別れを告げられなかったことを悔やんでいると語った。

 頭にスカーフを巻きAK47を持ったグルさんの写真は、アフガニスタンのソーシャルメディア上で広く拡散され、称賛の投稿が殺到している。グルさんと家族を保護するよう政府に求める声や、安全に国外へ避難させるよう呼び掛ける声も数多く上がっている。(c)AFP/Zakeria Hashemi with Usman Sharifi in Kabul