移民や難民にも新型コロナウイルスの感染を予防する権利があるが、5月に撮影されたこの写真からはそれが蔑ろにされているように伝わる。不衛生で密集したキャンプで過ごさざるを得ない人々は、場合によっては死に至る感染症の流行に対して、我々が今感じている以上に大きな不安に襲われていると思う。現在日本では、密閉・密集・密接の「3密」の回避が唱えられているが、世界では感染の予防すらままならない人がいることに正直実感が湧かなかった。また、もし彼らが感染してしまったとして、十分な医療を受けられる制度が整っているのかも気になった。今日のパンデミックをきっかけに、今一度移民や難民の権利について考え直すべきではないか。
［明治大学　安達 紳平］