【6月16日 AFP】米司法当局は15日、オークションサイト「イーベイ(eBay)」の元役員ら6人が、同社に批判的な記事を掲載したニュースレターの発行人と編集者のカップルに対し、生きたゴキブリなどが入った箱を送りつけるなどの嫌がらせを行っていた疑いがあると発表した。

 マサチューセッツ州を担当するアンドルー・レリング(Andrew Lelling)連邦検事によると、イーベイの元役員と元従業員計6人は2019年8月、同州ナティック(Natick)で発行されているニュースレターが同社絡みの訴訟に関する記事を掲載したことを受けて、このニュースレターの発行人と編集者の計2人に対する嫌がらせを開始した。

 調書によると、「被告の一部は被害者宅に宛てて、保存されたブタの胎児やハロウィーン用の血まみれのブタの仮面、葬儀用の花輪、配偶者との死別を乗り越える方法に関する本やポルノグラフィーなどの発送を匿名で注文」していた。このうち、ブタの胎児は売り主が問い合わせたことで実際には発送されず、ポルノは手違いで隣人に届いた。

 また、被告らはツイッター(Twitter)の投稿およびダイレクトメッセージで、このニュースレターの内容を批判する投稿を続けた他、カップルの車にGPS装置をひそかに仕掛けて2人の行動を監視しようとしたり、数回にわたりカップルの自宅を直接訪れたりもしていた。

 これらの嫌がらせ行為はイーベイの幹部2人が、このニュースレターの編集人を「やっつける」時を示唆するテキストメッセージを発信したり転送したりした後に始まったとみられている。また、カップルが警察に被害を届け出た後も、警官にうそをついたり文書を改ざんしたりして捜査を妨害しようとした疑いが持たれている。

 被告6人は、20代の元従業員から50代の元幹部まで全員がイーベイの関係者で年齢はさまざま。イーベイは、内部調査を経て、2019年9月に全員を解雇したと発表している。(c)AFP