トランプ氏、士官学校卒業式で演説 人種問題には触れず
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【6月14日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は13日、米ニューヨーク州ウエストポイント(West Point)にある陸軍士官学校の卒業式で演説した。米兵の「素晴らしい勝利」を高く評価した一方、人種差別をめぐる最近の社会不安についてはほとんど触れなかった。
トランプ氏は、卒業する1107人の新任少尉を前に、「米国は人類史上、最も優れた国だ」と主張。卒業生らは明るい日差しの中、陸軍士官学校の練兵場で互いに十分な距離を保って腰掛けていた。
トランプ氏の演説で人種差別をめぐる最近の社会不安に最も近い内容は、「ハリケーンや自然災害の困難に立ち向かい、平和や安全、そして街中における憲法による法の支配を確保するため」に対応した「わが国の州兵に所属する男女諸君に感謝したい」との言葉だった。
11月に行われる大統領選で、民主党候補のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領を破って再選することを狙うトランプ氏には、力強い指導者と見られたいという意思が感じられる。
陸軍士官学校は、新型コロナウイルスの流行を受けて閉鎖され、学生らは自宅に戻っていた。しかし、トランプ氏は4月、卒業式に出席して演説すると突然発表。学生らは学校に呼び戻され、数週間にわたり新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の隔離と検査を受けていた。
学生らは練兵場で行進する際にマスクを着けていたが、トランプ氏はいつも通り、着用していなかった。(c)AFP