【6月9日 AFP】男子テニスの四大大会(グランドスラム)で通算6度の優勝を誇るボリス・ベッカー(Boris Becker)氏は、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動に参加してソーシャルメディア上で批判されたことを受け、母国ドイツにおいて人種差別の問題をオープンに話し合うべきだとの認識を示した。

 週末に英ロンドンで反人種差別の抗議デモに参加したベッカー氏は、自身のツイッター(Twitter)アカウントで、「ドイツから」の批判コメントの標的にされたと明らかにし、自身の主張を述べる動画を投稿した。

 元妻のバーバラ(Barbara)さんがアフリカ系米国人で、2人目の妻リリー(Lilly)さんの母親がスリナム出身であるベッカー氏は、「私のファミリーヒストリーに関して、ツイッターで気分を害することを言われた」とすると、「われわれの国では、物事をうやむやにすることがあり、それは残念だ」と述べた。

 現在52歳のベッカー氏は、ドイツでは人種差別に対するさらなる社会的関与が必要だと呼び掛け、「そのことについて、もっと公の場で話し合うべきだ」「われわれは皆、一つの家族なんだ」と訴えた。

 さらにその前のツイートでは、「多くの侮辱的なコメントはドイツからのみ」だったことに「衝撃を受け、震え上がり、恐ろしかった」とすると、「なぜだ、なぜだ、なぜだ? ここは人種差別の国になってしまったのか?」と続けた。

 先月25日に米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)が警察の拘束下で死亡した事件は、週末にはドイツなど欧州において抗議デモを引き起こした。

 ドイツ警察によると、6日には首都ベルリンのアレクサンダー広場(Alexanderplatz)で1万人のデモ隊が集結した一方で、同国ではミュンヘン(Munich)やフランクフルト、そしてハンブルク(Hamburg)などの都市でも同等の人数が抗議デモに参加したとされている。(c)AFP