【6月1日 AFP】サッカードイツ・ブンデスリーガで、米ミネソタ州の黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)が警察による拘束後に死亡した事件に対する抗議が広がっている。

 30日にはシャルケ04(Schalke04)に所属する米国代表のウェストン・マケニー(Weston McKennie)が「ジョージのために正義を」と書いた腕章をつけて試合に臨んだが、この日はボルシア・メンヘングラッドバッハ(Borussia Moenchengladbach)のフランス出身FWマルクス・テュラム(Marcus Thuram)、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)のイングランド代表MFジェイドン・サンチョ(Jadon Sancho)が抗議を行った。

 テュラムは得点後に膝をつき、ハットトリックを決めたサンチョはユニホームを脱いで「ジョージ・フロイドのために正義を」と書いたTシャツを見せた。テュラムのパフォーマンスは、元米ナショナルフットボール(NFL)のコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)が2016年に始めた国歌演奏時の膝つき抗議にならったもので、このポーズは米国で大きな論争を呼んでいる。

 ユニホームを脱いでイエローカードを受けたサンチョは、自身のSNSアカウントで「プロ初のハットトリックだけど、世界ではなんとか変えていかなくちゃならないもっと大きなことが進行しているから、個人的にはほろ苦い瞬間だった」と話した。

 米国では、プロバスケットボール(NBA)のレジェンド、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏もデモ参加者を支持している。現役時代、社会問題に関する発言をほとんどしなかったことで知られるジョーダン氏は、「この国にはびこる有色人種への差別や暴力に対し、声を上げた人たちとともに私はいる」「もうたくさんだ」と話している。

 フロイドさんは25日、警官に首を膝で押さえつけられ、息ができないと訴えたが拘束は解かれず、その後に命を落とした。(c)AFP