■VRで備えておけばエンパワーされる

「身体的被害を受けやすい事態に陥っても、自分が置かれた状況を判断して、どのように振る舞って対処すればいいのか選択肢があれば、とてもエンパワーされる」と4人はウェブサイトで述べている。

 VRのシミュレーションでは、実際の経験に基づいた5通りのシナリオを取り上げている。4人は、男性の友人たちに台本通りに演じてもらって撮影した。

 着想の基となった研究を行った米国の大学の心理学者らは、若い女性らが従来の模擬演習よりも仮想シナリオに強い反応を示したことを知り、性的嫌がらせに取り組むVRプログラムを作成した。

 リーさんは、「このようにさまざまな問題が起こり得るが、前より心構えができるようになったと思う。感情的に備えができ、次に取るべき手段が分かった。友人に話をして自分の周りのコミュニティーから支援を得て、必要ならさらに行動を起こすことを知ることができた」と話す。

「#MeToo」運動は2017年に米ハリウッドの元大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)受刑者による性的暴行などが発覚したのをきっかけに世界中に広がった。

 映像は3月撮影、VR映像は「ガール、トーク」提供。(c)AFP/Catherine Lai