【5月2日 AFP】フランス・リーグ1のアミアン(Amiens SC)は、新型コロナウイルスの影響で残り10節の試合が行われずにシーズンが終了して2部降格となったのは「不当」であるとして、訴訟に踏み切ることを検討している。

 今季のリーグ1は4月30日に打ち切りが決まり、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)が優勝扱いで、下位2チームのアミアンとトゥールーズ(Toulouse FC)は2部に降格することになった。

 同28日にフランスのエドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を理由に、「特にサッカーなどのプロスポーツリーグは再開できない」と宣言したことを受けて、リーグ1は不運に見舞われたシーズンの終了を告げる笛を鳴らした。

 アミアンのベルナール・ヨアニン(Bernard Joannin)会長は、「不公平であるというのが私の第一印象だ。なぜなら、アミアンはリーグ1に残留すべく最後まで戦うことができないからだ」とすると、「スポーツの公平性が尊重されていない。これは公正を欠いた決定であり、私の仕事はアミアンを守ることだ」と述べた。

 1部でプレーするのはクラブ史上3度目となっていたアミアンは、3月中旬にシーズンが中断された時点で、最下位のトゥールーズを一つ上回る19位につけており、18位のニーム・オリンピック(Nimes Olympique)とはわずか勝ち点4差だった。

 ヨアニン会長はクラブのフェイスブック(Facebook)で、「まだ30ポイント分の試合が残されていた」とコメントする一方で、公衆衛生のためにシーズンを打ち切るという首相の決断には反論しない姿勢を明確にし、「そのことは尊重する」と述べた。

「しかし、私が納得できないのは、(降格を行うという)プロサッカーリーグ連盟(LFP)の思いやりと正当性の欠如だ」「バスケットボールやラグビーのリーグは、チームを降格させなかった」

 同会長はアミアンとトゥールーズが1部にとどまり、さらに2部の上位2チームを昇格させて来季は計22チームで戦った上で、最終的には4チームを降格させるという方法を提案した。

 一方、トゥールーズも法的措置に出る可能性を維持するとしており、オリビエ・サドラン(Olivier Sadran)会長は、「実際にどうするか明言するのは時期尚早だ。しかし、その道を進む権利は保持している」と語った。(c)AFP