【4月19日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)と、女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)のコーチを務めるパトリック・ムラトグルー(Patrick Mouratoglou)氏は18日、それぞれが所有するアカデミーで試合を開催する計画を発表した。

 プロテニスのシーズンが新型コロナウイルスの影響で少なくとも7月12日まで中断している中、両アカデミーは試合を開催し、ファンが離れた場所から観戦できるように放送する可能性を模索しているという。

 スペイン・マヨルカ(Mallorca)島にあるラファ・ナダル・アカデミー(Rafael Nadal Academy)は、すでにナダルが発案したアイデアについて男子プロテニス協会(ATP)のアンドレア・ガウデンツィ(Andrea Gaudenzi)会長と話し合っている。

 アカデミーの公式サイトによれば、「選手が生活しながら練習し、プレーヤー同士で試合ができるキャンパス」になることを検討しているといい、「世界中のファンが楽しめるように試合はテレビ放送する」計画だという。

 ナダルは「今はテニス界の活動が停止しており、最も重要なのは人々の健康だ。だが、もし今後数か月にわたって他のプロ選手たちがアカデミーに来て、練習や試合をする力になれるならうれしい」「選手同士で競うことで、ツアーが再開した時に向けてレベルを維持する手助けになると思う」と話した。

 アカデミーは、すでにATPチャレンジャーツアー(ATP Challenger Tour)のラファ・ナダル・オープン(Rafa Nadal Open Banc Sabadell)をはじめ、下部やジュニアの大会を開催してきた実績がある。

 一方、フランス南部ニース(Nice)にあるムラトグルー氏のアカデミーも、全50試合が組まれる「リーグ」計画を発表し、数百万ドルの賞金を検討しているという。発表文によれば、同氏は5回の週末に無観客で各10試合を開催し、ライブ配信する計画を立てている。

 リーグは5月16日から始まり、男子世界ランキング10位のダビド・ゴフィン(David Goffin、ベルギー)と20歳の新鋭アレクセイ・ポピリン(Alexei Popyrin、オーストラリア)が開幕戦を飾る予定で、その後のラインアップは未定だという。

 このアイデアは、同アカデミーを拠点としているポピリンの父が発案したといい、コート上および動画を通じたコーチングが許可される。また、リモートで観戦するファンは選手たちとリアルタイムで交流したり、選手とコーチの会話を聞いたりすることができる。ムラトグルー氏は、このリーグは「選手中心」で「特に下位ランクの選手にとって利益がある」と話している。

 フランスのロックダウン(都市封鎖)は5月11日に終了する予定となっている。それ以降も大規模イベントの開催は禁止されるため、観客を入れての実施は不可能だが、選手は移動が可能になる。一方のスペイン政府は18日、封鎖期間を5月9日まで延長する方針を示している。(c)AFP