【3月17日 AFP】サッカー中国スーパーリーグ(1部)のクラブは、同国における新型コロナウイルスの大流行でほとんどが国外に避難していたものの、今度は世界各国での感染拡大を受けて帰国を急いでいる。

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 ここ数週間にわたり中国トップクラブの多くがキャンプ地としていたアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)では、現在も代表チームが練習を行っているが、今では帰国に向けた準備が急務となっている。

 新型コロナウイルスが発生した中国・武漢(Wuhan)を本拠地とする武漢卓爾(Wuhan Zall)は、1月下旬からスペインでトレーニングを行ってきたが、今やパンデミック(世界的な大流行)の中心となっている欧州で状況が悪化していることから、先週末に現地を離れた。

 中国では感染者数が減少しているとはいえ、依然として武漢が封鎖されている中で、同クラブは混乱をきたしているプレシーズンの準備を深セン(Shenzhen)で継続すると伝えられている。当初リーグは先月22日にシーズン開幕を迎えるはずだったが、現状では無期延期となっており、一部では5月に無観客で開始される可能性が報じられた。

 武漢卓爾でプレーしているブラジル出身FWのレオ・バプティスタン(Leo Baptistao)は、状況が「逆転している」スペインを出発する前に中国メディアに対して、「(ここは)もっと危険だ。離れた方が良さそうだ」と語った。

 先日にはファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)監督が指揮を執る昨季王者の広州恒大(Guangzhou Evergrande FC)と、同2位の北京国安(Beijing Guoan)が帰国の途についた。

 現役時代にイングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)やスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)でプレーしたジョバンニ・ファン・ブロンクホルスト(Giovanni van Bronckhorst)監督が率いる広州富力(Guangzhou R&F)も16日、ドバイでのキャンプを切り上げる方針を示した。

 しかしながら、フライトの混乱や中国に戻った際の厳しい隔離措置などにより、帰国は簡単なことではなくなっている。

 中国は「基本的に」ウイルスの拡散を抑え込んだと宣言したが、今度は他国からの感染流入が懸念されている。昨年12月に武漢から始まった新型コロナウイルスの流行では、これまでに世界で合計7000人以上が死亡。世界の主要スポーツの多くが、休止する事態となっている。(c)AFP