【3月6日 AFP】ラグビーシックスネーションズ(Six Nations Rugby)の主催者は5日、新型コロナウイルス感染の懸念を理由に、イタリアが今季最終戦として臨むはずだった14日のイングランド戦を延期すると発表した。イタリアはすでに、7日に敵地ダブリンで行われる予定だったアイルランド戦が、同様の理由で延期となっていた。

 イタリア政府は前日、感染が拡大している新型コロナウイルスの対策に取り組む中で、全ての主要スポーツ大会を4月3日まで無観客で開催するよう命じた。

 シックスネーションズはこれを受け、「今後イタリアで行われる全てのスポーツ大会に関して、4日に同国政府が発表した法令を尊重する」「この決定により13日、14日、15日に予定されていたイタリア対イングランドの3試合(男子、女子、U-20)は延期され、後日スケジュールを組み直すことにする」とのコメント文を発表した。

 その一方で、「現在判明している情報を基に、シックスネーションズの他の全試合は予定通り開催される」としている。イングランドは7日に、トゥイッケナム・スタジアム(Twickenham Stadium)でウェールズと対戦することになっており、U-20と女子チームも今週末に国際試合が組まれている。

 イタリアラグビー連盟(FIR)には試合を無観客で行う選択肢もあったが、それには巨大な経済的損失を伴うことになる。一方、2023年に開催されるW杯フランス大会(Rugby World Cup 2023)の組み合わせ抽選に向け、11月の締め切りまでにランキングポイントを稼ぐ必要があり、それは残りの試合をプレーして単に経済的損失を被ることより、もっと重大な問題となっている。

 今季のシックスネーションズで、グランドスラム(全勝優勝)の可能性が残っているのはフランスだけとなっている。スケジュール通りに同国が7日に敵地で臨むスコットランド戦と、14日にホームで行われるアイルランド戦に勝てば、今回の試合延期に関係なく2020年シーズンの優勝チームが決定する。

 シックスネーションズでは2001年にも、家畜伝染病の口蹄(こうてい)疫が拡大したことにより、アイルランドでの3試合(スコットランド戦、ウェールズ戦、イングランド戦)が9月と10月に延期された。

 その時点で、グランドスラムまであと一勝に迫っていたイングランドは、延期の末にダブリンで臨んだアイルランド戦に14-20で敗れたものの、タイトルを手にした。(c)AFP