【3月5日 AFP】乗客約2500人を乗せたクルーズ船「グランド・プリンセス(Grand Princess)」が、乗客乗員に新型コロナウイルス感染が疑われる症状が確認されたため、米カリフォルニア州沖で足止めされている。

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 運航会社プリンセス・クルーズ(Princess Cruises)とカリフォルニア州のギャビン・ニューソム(Gavin Newsom)知事によると、同船のメキシコ行きツアーに乗船していた男性(71)が新型ウイルス感染により死亡した。カリフォルニア州での死者は初で、ニューソム知事は4日、非常事態を宣言した。

 グランド・プリンセスは予定を変更してハワイからサンフランシスコに帰港することになり、4日夜に到着する予定だったが、カリフォルニア州当局が着岸を延期させた。船内で感染の疑いのある乗客乗員の検査を実施するという。

 ニューソム氏は記者会見で、グランド・プリンセスの足止めは「症状の出た複数の乗客乗員」を検査するのに「十分な時間」を確保するためだと説明。乗客11人と乗員10人が感染した疑いがあると述べた。

 プリンセス・クルーズはAFPに対し、メキシコ行きツアーにも乗船していた乗客60人余りは、検査を受けるまで客室内にとどまるよう指示されていると書面で説明した。同社ウェブサイトによると、グランド・プリンセスには乗員1150人が乗っているとされる。

 同船の元乗客が死亡したことを受け、米国内の新型ウイルスによる死者は11人となった。(c)AFP