【3月1日 AFP】サッカーの規則作成を行う国際サッカー評議会(IFAB)は29日、選手の脳振とうに伴う追加の選手交代の試験運用にゴーサインを出し、今夏の東京五輪でもテストが行われる可能性があることが分かった。

 サッカーの「法」を守護する独立団体とされるIFABは、この日英ベルファスト(Belfast)で年次総会を開き、正式なルール変更にはさらなる調査が必要と判断した。関係者が総会後、サッカーを含めたいくつかのスポーツで、頭部の負傷の影響に対する懸念が高まる中、試験運用への道筋がついたと発表した。

 ラグビーではすでに、脳振とうによる一時的、または完全な交代が認められており、サッカー界の中からも、脳振とうによる交代枠を導入すべきだという声が上がっていた。

 総会に出席した国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長は、「選手のプレー続行に少しでも不安がある場合、監督には追加の交代枠という別の選択肢が手に入ることになる」「われわれは、(脳振とうに対して)動きが遅いとたびたび批判されてきた。今後は動き、試し、様子を見る」と話した。

 また現在、現場で脳振とうのチェックに使えるのは、主要な公式戦では3分までだが、この時間も10分に延ばしてほしいという要望が出ている。脳損傷を負った人のための慈善団体を運営する専門家は、今回のルール変更が行われても、チェック時間が3分のままなら「負傷した選手にとっては実質的に何も変わらない」と断言している。

 さらにIFABは、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の導入により、特にイングランド・プレミアリーグでごくわずかな違反が物議を醸しているオフサイドについても、ルール変更の可能性を示唆している。(c)AFP