【1月31日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が発表した中東和平案について、ジミー・カーター(Jimmy Carter)元米大統領(95)は30日、国際法違反だとの認識を示し、パレスチナ自治区内にあるユダヤ人入植地のイスラエル併合を阻止するよう国連(UN)に強く求めた。

 カーター氏は声明で「米国の新案は、イスラエル・パレスチナ間の和平の見込みを下げるだけだ」と指摘。「もし実行に移せば、長引く紛争の解決策として唯一実行可能な『2国家共存策』は失敗に終わる」と述べている。

 1978年の「キャンプデービッド合意(Camp David Accords)」でイスラエルとエジプトの和平の仲介役を担ったカーター氏はまた、国連加盟国に対し、「国連安全保障理事会(UN Security Council)の決議を順守し、イスラエルがさらなるパレスチナ領土接収を進めて一方的に和平案を実行しようとするいかなる試みも拒絶する」よう強く呼び掛けた。

 一方、カーター氏の事務所は、トランプ氏が28日に発表した和平案は「自己決定権や武力による領土の獲得、占領地の併合などの点で、国際法に違反している」と指摘。「イスラエルを『ユダヤ人国家』と呼ぶことにより、イスラエルに住むパレスチナ人の平等な権利を否定するよう仕向けている」と批判した。(c)AFP